市販・病院の遺伝子検査でわかること・わからないこと


「市販の遺伝子検査キットを使えば、どこまで知りたいことが分かるんだろうか?」と疑問に思う人も少なくはないはず。

今回は「市販の遺伝子キット」でどこまで分かるか、「病院の遺伝子検査」でわかることと比較してお伝えします!

 

遺伝子キット・病院で分かること一覧

  検査キット 病院
人種
体質 ×
がん
寿命
運動能力 ×
血液型 ×
食物アレルギー
AGA
自閉症 × ×
親子鑑定

こちらについて1項目ずつお伝えしていきます。

しかし病院で行っているものの中には医療行為ではない遺伝子検査だったり、キットを使用したりしている場合もあるので、参考程度にしていただければと思います(気になったら病院に聞いてみてくださいね)。

 

1.人種

残念ながら、日本で販売されている「遺伝子検査キット」は、日本人が使用することを前提に作られています。なので「人種」を特定することはできません。しかし純日本人でも、自分の祖先がどの国・地域から来たのかルーツを調べることができる遺伝子検査はあります。

 

2.体質

こちらは「遺伝子検査キット」「病院」のどちらでも受けることが可能です。

例えば遺伝子検査キットの「マイコード」では、血圧の高さや血糖値の高さ、身長や体重、胸のサイズなどといった外見的特徴から、「血糖値の高さ」「アルコール依存症」など性質の遺伝要因まで分かってしまいます。

 

3.がん

こちらも「遺伝子検査キット」「病院」のどちらでも受けることが可能です。

遺伝子検査キットだと「がんパック」などのがんに特化した商品も売られています。「うちはガン家系だからちょっと心配……」という人にはオススメのプランですよね。

ただ留意していただきたいのは、遺伝子検査キットでわかるのは「遺伝子型の傾向」個人の遺伝子を特定しているわけではないんです。

例えば、女優のアンジェリーナ・ジョリーさん。遺伝子検査の結果、乳がん予防のために両乳房の切除手術を行った、というニュースがありましたよね。

乳がんは遺伝だけでなく、生活習慣も関与して発症するものも多いのですが、遺伝的に乳がんにかかりやすいという人もいます(BRCA1、BRCA2という遺伝子に変異が見られる人)。このような遺伝子を特定するためには「病院」での検査が適していると言えそうです。

 

4.寿命

こちらも「遺伝子検査キット」「病院」のどちらでも受けることが可能です。

「マイコード」だと、体質を調べる項目の中の「85歳以上まで長生きする可能性」でわかります。ちなみに長生きする可能性が高い人は、日本人の86.3%に及ぶ、との結果がでています。

 

5.運動能力

こちらに関しては「遺伝子検査キット」では分かりますが、「病院」での検査項目では中々ないようです。

遺伝子タイプを知って体力強化やダイエットに活かすことができるものや、子どもの運動能力の可能性を知ることができるものまであるようです。やはり「遺伝子検査キット」はニーズに応えている商品が多いみたいですね。

 

6.血液型

こちらは「遺伝子検査キット」では判明できず、「病院」の検査で分かります。

しかし”遺伝子検査”ではなく、“血液検査”になるものと考えられます。たしかに遺伝子を調べるより、直接血液を調べた方が早いですよね。

 

7.食物アレルギー

「遺伝子検査キット」では、遺伝子型の傾向について調べることはできます(「マイコード」にも「アレルギーに関する指標」というものがあります)。

しかし、やはりアレルギーの”原因”を調べたいですよね。それであれば「病院」で”血液検査”を受けるのが的確なのではないでしょうか。

 

8.AGA(男性型脱毛症)

AGAとは、額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または両方から薄くなっていくというもの。

こちらも「遺伝子検査キット」「病院」両方で行うことができます。病院では主に美容外科などAGAの治療を行う美容外科などで実施されていることが多いようです。

 

9.自閉症

こちらは両方とも分かりかねるようです。ハフィントンポストの記事によると、1980年代から1990年代にかけて遺伝病の原因遺伝子が解明され、そこで自閉症についても同じ研究が行われたといいます。しかし、

「遺伝医学により、遺伝的要因が明確に突き止められた疾患もありましたが、自閉症、糖尿病、高血圧症、統合失調症などについては、大した成果が得られなかったのです」

といい、自閉症は複数の遺伝子が変異を起こしていると考えられています。現段階では、自閉症になる決定的な遺伝子が見つからないようです。

もし遺伝子検査で自閉症になる可能性について調べようとしていた人がいるのであれば、「自閉症=遺伝病」とは言い切れない、ということだけでも声を大にしてお伝えしたいです。

 

10.親子関係

血縁関係の証明を目的とする裁判用の鑑定として使うのであれば「病院」やその他機関でDNA親子鑑定を受ける必要があります。法が絡んでくる分、専門スタッフの立ち合いの上で検体を採取する必要があるようです。

「遺伝子検査キット」もありますが、こちらはプライベートでの確認を目的とする場合のみ、とのことです。

 

「遺伝子検査キット」と「病院」、使い分けて

こうして見ると、遺伝的な傾向を調べるには「遺伝子検査キット」、個人の遺伝子を調べるには「病院」という風に分けられそうです。

やはり病院で行う検査は、遺伝子検査キットより費用が高くなります。どちらを使えば、より「知りたいこと」を知ることができるか、用途によって使い分けてみてくださいね。